北アルプス縦走合宿
参加者:伊佐見(3)、田崎(3)、溜島(1)

8月19日
 雑穀谷で遊んだ後、香川さんと別れ、有峰口駅で寝る。明日はこの辺りからバスが出るからである。伊佐見は寝付けないらしく、田崎と溜島にちょっかいをだしていた。うっとうしいぞ。(伊佐見)

8月20日
8:00入山〜10:30三角点〜14:00太郎平小屋〜14:20キャンプ場
 有峰口の駅から折立までのバスに乗った。この駅は、すごくレトロな建物であり、はっきりと昭和の匂いが感じられた。また、駅員さんもとても親切だった。
 この日は、1日分食糧を多く持ってきたことも判明し、1次合宿に続き食糧係の自分にあきれつつ、ひいひい言いながら登る始末である。けれども、途中で出会ったおばさんからはちみつレモンを頂いた。これと「頑張ってね」の言葉で、なんとかたどり着いたといっても過言ではない。
 夕食は、とんかつであった。美味しく揚げることができて、合宿では最高の出来だったと思う。(溜島)

8月21日
3:30起床〜6:15キャンプ場発〜6:50太郎山〜9:10北ノ俣岳〜13:35黒部五郎岳〜16:00小屋〜18:30就寝
 朝からガスがひどいが予定通りに出発する。しばらくは木道の歩きやすい道が多かったが、太郎山山頂への分岐あたりから雨が強くなりだした。そのうち溜島が疲れてきたようで、休憩してから30分もしていないうちに休憩したいと言い出した。それでもまだまだ休憩は取らずに歩いていたが、何度も休みたいというので適当に受け答えするようになると、無駄だとわかったのか次第に何も言わなくなり、黙々と歩くようになった。そして黒部五郎岳山頂への分岐に到着し、山頂まで空荷で往復しようというときに、溜島が山頂まで行かなくていいと言い出し、説得すること十数分、ようやく重い腰を上げて山頂に向かった。山頂までは岩がごろごろしており、そして意外と長かったが、溜島はだんだん元気になっていた。やっと山頂に着いたが、ガスっていて全く展望がきかず、写真だけ撮って下った。
 黒部五郎岳からの急なくだりは順調に進んでいった。登山道のわきに大きな岩がごろごろしていると聞いていたが、ガスのせいでほとんど見えなかった。小屋も全く見えず、いつまでたってもつかないような感じがしながら歩いていると、突然ガスの中から小屋が現れた。雨がひどかったのですぐさまテントを立ててもぐりこんだ。伊佐見が油の管理をきちんとしていなかったのでテントやその他装備全てがべとべとになっていた。(田崎)

8月22日
 起床。昨日の天気予報からするとまた雨らしく、動く気がしない。沈殿にしようかとゆっくりしていると晴れてくる。半沈とし、全ての道具を干す。誰もいないので装備を思いっきり広げ、マットを敷いて寝たり、本を読んだり、昨日漏れ出した油を拭いたり、思い思いに過ごす。伊佐見のリアル油テックス装備では集まったハエどもが何故か死にまくる。おぞましい。昼前になったところでパッキングし、三俣山荘まで進むことにする。
 登りだしてすぐにまた溜島が休みたいと連呼しだしたが、休ませず無理やり進ませる。三俣蓮華岳付近で三俣山荘への分岐(近道)があったが、三俣蓮華岳へ登るため、嫌がりそうな溜島に看板を見せないようにする。しかしその近道から3人ほども人が来たので溜島は怪しがる。しかし溜島が地図を見る間もなく三俣蓮華岳へ登る。頂上では山荘の人が土を掘り起こしてなんかの作業をしていた。そこから三俣山荘まではあっという間で16時の気象通報にもギリギリ間に合った。その後溜島は地形図で近道を確認して残念がっていた。(伊佐見)

8月23日
4:00起床〜6:35発〜8:00鷲羽岳〜8:50ワリモ岳〜10:05水晶小屋〜12:20真砂分岐〜13:30野口五郎岳〜16:50烏帽子岳キャンプ場着
 昨日から見えていた鷲羽岳は、出発時にはまさに山という形がはっきり見て取れることもさることながら、登る者を圧倒させるようなものがあった。そして、実際に近づくと岩がごろごろしていて道が大きく蛇行していた。上を見れば先は長く、下を見れば登ったのはわずかでほとんど足元を見て登った。また、風が強く指先がかじかむほど冷たく、いじわるされているのかと思うほど常に前から吹き付けていた気がする。頂上からは、遠くに富士山も見えてなかなかの景色だった。
 水晶小屋からの眺めも良かったが、そこからの下りは少々滑りやすかった。
 ライトミールは2回に分けて食べたほうがよいと思った。(溜島)

8月24日
4:30起床〜7:00キャンプ場発〜7:30分岐〜8:00烏帽子岳〜9:40南沢岳〜11:35不動岳〜16:50船窪岳〜17:05船窪乗越〜18:20船窪キャンプ場着〜20:30就寝
 起床と出発が結構遅くなった。出発してすぐに烏帽子岳への分岐が現れ、そこにザックを置いて空荷で烏帽子岳まで向かった。烏帽子岳はすごく岩いわしていて、山頂までの登りは楽しかった。山頂からの見晴らしも良く、快適だった。
 船窪までの登山道は、片側が砂の崖になっていて、滑りやすくて危険なところを時折ひやひやしながらひたすらに歩いた。
 船窪岳第二ピークという看板があり、第一ピークはすでに過ぎたものと思っていたが、船窪乗越になかなか出ないと思っていると、さらにその先に第一ピークの看板が見つかったときには茫然とした。
 日が落ちる前には何とかキャンプ場に到着し、水場は明るいうちに行ったほうがいいといわれていたので、ザックをおろしてからまず水を汲みに向かった。たしかに水場は遠く、道を間違えたり梯子を下ったりと危ない所に水場はあった。船窪山荘はキャンプ場からさらに登山道を20分くらい登ったところにあるので、テント場代は翌日払うことにした。(田崎)

8月25日
6:30起床〜14:00昼食〜19:00就寝
 快晴沈殿。昨日テン場代を払ってなかったので船窪山荘に行くとお茶をごちそうしてもらった(伊佐見だけ)。シェルパ族の人やバイトに来ている女性や管理人の夫婦と話せた。ほのぼのとして良かった。(伊佐見)

8月26日(水)
2:30起床〜4:00就寝〜5:30起床〜8:05発〜8:30七倉岳〜10:30北葛岳〜14:15蓮華岳〜15:20針ノ木テン場着
 この日は信じられないことが起こった。早朝に起きて、朝食を食べたまでは良かった。しかし、この後・・・なんと!二度寝をしたのである。そう、寒い冬の朝や時間に余裕のある休日の朝に誰もが経験したことのあるあれである。確かに寒かった。(多分放射冷却?)けれども、合宿においてあり得るのだろうか、いや、実際に起きたことである。自分は、この2次合宿の長さのためでもあると考えている。
 またこの日は、あまり距離的には長くはなかったのだが、北葛岳から蓮華岳までが意外なほど下ってから登ったので、とても辛かった。この辺りでは、本当に下山したいとばかり思っていた。                              (溜島)

8月27日
4:00起床〜7:15キャンプ場発〜8:15針ノ木岳〜9:30スバリ岳〜11:00赤沢岳〜12:05鳴沢岳〜12:45新越山荘〜13:45岩小屋沢岳〜15:10種池山荘キャンプ場〜19:00就寝
 このあたりで、食糧が大分減り、ザックが軽くなってきた感じがようやくしてきた。下山したい気持ちが強くなるが、エスケープルートを横目に見ながら出発。この日の行程は長く、まずは一気に針ノ木岳山頂まで上り詰める。天気は悪くはなかったが、展望はあまり良くなかった。時折尾根の左手にきれいな黒部湖がのぞかせていた。なだらかな尾根上を登り下り行き、いいぺースで進んだ。途中、新越山荘のあたりに「熊に注意」という看板が出てきて、怖いと思いながらも、出てきたら合宿も途中下山になるかな、と思いながら歩いていた。岩小屋沢岳まで登ればあとは下り、次第にかわいらしい赤い屋根の種池山荘が見えてきた。見えてから小屋まで意外と時間がかかった。小屋で働く店員さんはかわいかった。(田崎)

8月28日
5:00起床〜7:50発〜8:38爺ガ岳南峰〜8:52爺ガ岳本峰〜10:15冷池山荘〜20:00就寝
 今日の行動時間は短いので悠長に出発。種池山荘の受付のお姉さんはやっぱりかわいかった。爺ヶ岳へ登る途中では向かって降りてきているオジサンにいっぱいお菓子をもらったので爺ヶ岳中峰で食いまくる。ヤマケイに載っていたというパウンドケーキ?は結構おいしくて溜島がえらく食らいついていた。冷池山荘のキャンプ場は景色がきれいというが、もう見飽きてどうでもよかったのでそのまま寝る。景色よりもトイレが遠いことは大きなネックだと思った。
 また夜20時ぐらいまでペチャクチャ喋るおばさんたちや深夜1時に突然喋り散らかすおじさん(いや大学生だったか?)がかなりストレスになった。(伊佐見)

8月29日
4:30起床  6:30沈殿決定
 この日は、朝から大雨だった。しかし、昼頃には天気が回復してきて気温も上がった。やはり出発するべきだったと思いつつも、昨日半分残しておいたラーメンを食べた。
 特にすることもなく、のんびりとラジオを聞いていたら、NHKの番組で子供が生で専門家の人に質問をする中でゴキブリの話がでてきたが、なぜかそれが印象に残っている。
 夕食のポトフは、味付けが上手くできて大変美味しかった。(溜島)

8月30日(日)
3:00起床〜5:15キャンプ場発〜6:00布引岳〜6:55鹿島槍南峰〜7:35北峰〜9:10キレット小屋〜11:05北尾根の頭〜13:35五竜岳〜15:00五竜山荘〜19:00就寝
 今日は鎖場、梯子がたくさんある登山道なので、ハーネスをすぐに出せるようにパッキングして出発。鹿島槍南峰ではほとんど休憩を取らず写真だけ撮り、すぐに北峰へ出た。南峰にはおじさんおばさんがけっこういたが、こっちに来る人はあまりいないようだった。登山道も足場がなかなか悪くなってきていた。北峰からハーネスをつけて八峰キレットに入った。錆びた鎖に頼りながらすべすべの岩を下ったり、ワイヤーで固定された角材の上を歩いたりと、緊張する場面があり、それも楽しかった。梯子を越えて、急な道を下ったところにキレット小屋がみえた。よくこんなところに建てたな、というに建っていた。小屋から先も岩場、鎖場はつづき、北尾根の頭を越える。そこから五竜岳までの道のりは険しかった。長いガレた足場の鎖場を登り、かなり足にきた。山頂への分岐に着いたころにはバテバテだった。溜島は、この登りが終わった後、体調を悪そうにしていた。コースタイム通りに来れたので、山頂でゆっくりと体を休め、五竜山荘へ向かった。(田崎)

8月31日
3:00起床〜5:30発〜
 昨日小屋から「ヘリが来るから飛ばされないようテントをできるだけ谷の方に離して建ててくれ」と言われたが、ヘリが来る前に出発する。ヘリの時間を聞いて、上のもっと広い場所にテントを張ればよかった。
 五竜山荘からは少し登り、なだらかな下りをぐんぐん下った。下りは溜島も難なくついてきてくれるのでかなり速かった。石黒山を目指してかなりしっかりした鎖場を登っているとすぐに唐松岳頂上山荘に着いた。山荘では渇水で飲み水が500ml 300円のミネラルウォーターしかなかったので水は買わなかった。30分ほどで唐松岳に登り、あまり休むことなく不帰之嶮へ向かう。意外と楽に平らな不帰U峰南峰に着く。しかしここから先で鎖場・ハシゴが連続してくる。と言っても、八峰キレットより鎖がしっかりとフィックスしてあったので安心だった。鎖場の移動にはハーネス&ランヤード×2を使用しなかった。不帰V峰までは意外と遠かったが、それを越えるとなだらかな下りの先に天狗の大下り(今回は登る)が遠方に見え、あっという間に不帰のコルへ到着した。コルでは大下りのガスっていて先が見えず、「大下り」という響きのせいで登る気がなかなか起きなかった。伊佐見は脚の虫さされがかゆすぎて掻き毟っていた。
 20分以上の休憩し「大下り」を登る。砂利だったので登りやすく、意外にも1ピッチで登り切れてしまったので天狗の頭まで平坦な道に沿って行こうとするが、途中で断念する。しばらく進むとなだらかな天狗の頭に着き、そのまま天狗山荘まで歩いた。山荘横のキャンプ場に着き、テントを建てだす頃になって雨が降り出した。ラジオを聞くかぎり、今台風が最も近づいてきているようだった。(伊佐見)

9月1日(火)
3:00起床  6:15発  7:10鑓ヶ岳  9:00白馬山荘  9:20白馬岳  15:30鑓温泉着
 朝は少しガスっていたが、鑓ヶ岳に着くころには晴れた。空身で行ったが、自分は登りであまり好いペースで進むことが出来ず、途中で派手に滑って先輩方に笑われたのも悔しかった。
 白馬岳頂上では、ここまで来るとは全然思えなかったのに本当に来たのだという達成感が込み上げてきた。近くにいた方と交互に写真を撮り、ばっちり記念撮影をした。
 鑓温泉までは、鎖場が結構危険な上に濡れていて慎重に進まなければならなかった。途中、雪渓の崩壊するゴオッーという音はとても迫力があり、自然の凄さが伝わってきた気がした。 
 温泉には足湯もあり、約二週間近くの汚れを落とすことが出来てさっぱり爽快だった。(溜島)

9月2日曇り
4:00起床〜7:35キャンプ場発〜10:40猿倉〜下山
 下山日、ゆっくりと起きて朝食を食べ、もう一度足湯につかり、鑓温泉を出発する。
 残りは下りだけと、ガスってはいたが、張り切って下って行く。しばらく進むと、こんなところを通るのとかと思うような崩壊地が現れた。何もしなくても下のほうでは小さな石がごろごろと崩れていた。気をつけながら渡ったが、崩壊のせいで地形図とルートが異なっていて、下りばかりだと思っていたが、進んでいくと、まだできたばかりのような登山道が続き、急な登りも出てきた。急な登山道を登りきったところで、ようやく緩やかな下り坂になり、それからはハイペースで下って行った。林道に出て少し下り、また登山道に入り、そしてようやく猿倉に到着。そこからタクシーを呼んで白馬駅へ向かった。(田崎)

伊佐見
反省
油の管理はしっかりと!
朝食から米ということも多々あったのに全部生米でアルファ米が予備日の2食分だけだったのは辛かった。まあ辛い合宿ができたという点ではよかった。
濡れタオルで体を定期的に服などもっと体をきれいに保てば良かった
白馬岳軽装ピストンは精神的に辛く、ナンセンスな計画だった。もう終わりだと思っていたのに意外と長かった。
感想
 ご苦労様です。溜島は1年生一人という中、よくついてきてくれた。
本当に辛く、かゆく、汚く、ベタベタの縦走だった。初日のとんかつで興奮したこと、3日目まで「休みます」「休憩したいです」と無駄な連呼を続けた溜島、雨でずぶぬれの黒部五郎の肩で頂上へ登ることを断固拒否したあなたを説得したこともあった。通称「鷲羽モード」をしてからは1時間半行動などもザラになり、「遅いが休まない」歩みを無理やり続けていると誰かから【死の宣告】まで受けたなぁ。とんがったピークに登った烏帽子岳、猿と出会い、怒濤の下りだった不動岳、船窪の砂大キレットと雰囲気のいい船窪山荘、突然現れた蓮華岳の岩場。蓮華の大上りでは30分以上休み、何とか下山する理由はないかと雄大な景色の中考えた。針之木岳付近から速くなりだしたが、鹿島槍ぐらいから個人的にはかなり作業的な登りになり、これと言って印象深くない。そういえばこの頃から脚がかゆかったかなぁ(ばい菌が入り、水泡となり、膿タラタラになった)。
そんな辛くストレスフルな状態でも、喧嘩もなく、会話も「どこで諦めて下山するか」「下山後何をするか」「あの人は明日下山するらしい」「下山させてくれ」「いやだぁ」と弾み、しょーもないことで笑っていた。唯一、僕が寝ている田崎の尻にラジオのアンテナをぶっ指した時はえらく怒っていた。すまん、それぐらい暇だったんだ。
また初日に泣き叫ぶ溜島にハチミツレモンをくれたおばさん、船窪山荘のおじいさん&おばあさん、入山から船窪まで同じだった無口なキスリングオジサン、針之木小屋で缶詰をくれたおしゃべりオジサン、爺ヶ岳でお菓子をたくさんくれたお爺さん、冷池から白馬まで同じだった刺青金髪兄ちゃんとSKIN軽装ブラックダイヤモンド兄ちゃんなどいろんな人に出会い、話し、お世話になった。ありがとうございます。いい思い出だ。
それでも・・・まあ・・・しばらく縦走はしたくない。

田崎
反省
 2次合宿では、起床が遅くなったり、朝の行動がだらしなかった。もっと出発時間を早くするようにしたい。また、忍耐が足りず、モチベーションを長く保てなかった。
 軽量化のために娯楽の道具がほとんど無かったので、もっと持っていけばよかった。
 個人適に行動中レーションが足りなかったので、隠しレーションをもっと持っていけばよかった。
 一部忘れた地形図があったので、もう忘れないように気をつける。

感想
  2次合宿では2日目から悪天候なのがつらかったが、晴れた日には景色を思いっきり楽しめたのでよかった。しかし、これほど長期の合宿は初めてだったので、精神的な疲れが大きかった。いつ下山し様かということが常に頭の中にあった。伊佐見がいなかったら白馬だけまでいくまえにとっくに下山していたかな。
大きなけがをすることもなく、予定通りに行程をこなすことができてよかった。もうこれほど長い縦走は行かないと思う。

溜島
反省
もっと練習をすべきだった
食料がまた管理できていなかった
パッキングが下手だった
感想
トンカツうめぇ
「登り」が辛かった
人との出会いがいい思い出になった
白馬岳はとても達成感があった

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