2009年度冬 阿蘇赤谷ダイレクト尾根
山域:阿蘇高岳
参加者:三穂野善則(黒稜会、OB)、伊佐見(3)
写真はココ

1月16日
家11:30〜重富駅13:56〜仙酔峡〜就寝22:00
 1本遅れた電車で向かうことを三穂野先生に伝える。郡元駅でその電車に乗り、バイルの写真を撮りながら、興奮する。そのままその電車に乗っていれば重富駅まで行くものだと思っていたら、電車が元来た方へ走り出す。「え?」再び郡元駅に着く。馬鹿すぎる自分に萎えながらも三穂野先生に電話で陳謝。「もう次遅れたら阿蘇の行くのは止めておきましょう。」と、そんなことは普通の人間ではありえないでしょという意味の冗談を言われる。「流石にもう遅れまい」と次の電車に乗る。高校生がむちゃくちゃ多い。そういえば今日はセンター試験だった。中央駅で降車。その学生の波に揉まれる。「えぇ!?1番から6番線に乗り換え!?」無情にも、走って降りる僕と他学生数名の目の前で国分行の電車が発車する。こうしてむちゃくちゃ遅れたが、三穂野先生に何とか許してもらい、阿蘇へ行けることになる。
 仙酔峡は雪がまあまああった。晩飯は弁当で済ます。9時ごろ来たパーティがやかましかった。
1月17日
起床5:00〜仙酔峡発7:00〜関門8:25〜赤谷赤ガレ谷分岐9:08〜境界尾根12:37〜ダイレクト尾根12:56〜ダイレクト尾根の頭14:30〜登攀終了15:55〜仙酔峡18:06〜部室23:30
 起きてラーメンを食らう。三穂野先生に卵と餅をいただく。テントを撤収し、関門へ向けて夏に通った道を登る。仙酔尾根との分岐で三穂野先生に地理的情報を話してもらうが、よく分からない。関門だけはしばらくして分かり、赤谷とダイレクト尾根がどこにあるのか何となく分かった。関門近くになってカンスの鶴の説明もしてもらうが、想像力がなく、鶴に見えない。この辺りでアイゼン装着。周辺は岩にふんわり雪が2cmほど乗っているだけであった。しばらくして境界尾根基部つまり赤谷・赤ガレ谷分岐に到着。1PT先行している。アイスは下部1mほどだけでほとんどない。ミックスクライミングとなった。
 まずは赤谷にアイスがないので先行PTが右から回り込んだのではないかと推測し、右ルンゼの踏み跡をたどる。岩の上にうっすら雪が乗っているだけなので悪い。バイルやピッケルがうまく使えず、邪魔だ。なんとか径2cm内の細い木とかを掴んで登る。しかしその先の谷に下りる踏み跡がなく垂直の雪壁になっている。「戻りましょう」と三穂野先生に言われる。決死の覚悟で登ったこのルンゼなので恐怖でクライムダウンすることができない。ちんたらしていると「早く降りなさい」と声が聞こえる。こうなったら一か八か!落ちたら三穂野先生のせいだと勝手な覚悟をし、「もう死んでもええわぁ!」と大声を出しながら何とか降りた。今でも個人的にはギリギリ下りたと思っている。下で待っていた三穂野先生には「死ぬなんて言わないでね」と言われる。
 その後赤谷を手とアイゼンで登る。やっぱり手がいい。2PTと単独に先を譲る。ここで替えの手袋を忘れていることに気がつく。手袋はインナーグローブとオーバーグローブだけ。
 その後もアイスはない。コンティニュアスで岩と雪のミックスを登る。難しいところは三穂野先生が先行し、引っ張り上げてもらう。1mほどでも壁になったところは非力すぎるほど登れない。ピックの先の1cm無いくらいが何かに引っ掛かっているだけなのに、これを手掛かりにするなんてリードでできる自信はなかった。途中3mほどのアイスを登り、しばらくすると10mほどのアイスに出くわす。「これだ!」とばかり下部の緩傾斜を駆け上がる。先行者の削ったアイスにピックを打ち込むと楽に登れた。最後は60度ぐらいを2m登り、氷のハングを右から回り気味に乗り越す。が、その手前でアイススクリューの設置に手間取る。あまりにもちんたらしているので後ろから来たガイドの方に別のスクリューをねじ込んでもらう。結局スクリュー内が凍っていたためねじ込めなかったようだ。と、その最中視界を黒いものが通る。「バスッ」振り返るとさっきまで無かった20cm大の石が転がっている。どうやらガイドの方の背中のザックに落石が当たったようだ。ガイドの方は「んぁ落石か」と言っていた。んー、首とかに当たったら結構ヤバかったのでは?
 アイスハングを無事乗り越した先で休憩。やっと気を緩ます。そこから左方向の境界尾根のコルへ向かう。雪がしっかりしていてラッセル跡もあり、急傾斜だが登りやすい。コルからはガイドPT4人の姿が見えた。そこから鷲ヶ峰方向へ林間を下る。ルンゼを越え、三穂野先生曰くのしんちゃん岩が見えたところで再び急なルンゼに下り、それを登りつめる。登りつめた先が2mほどだが壁になっている。三穂野先生はダブルアックスで登っていたが、僕は面倒だったので、シングルアックスで登ったら苦労した。あそこはダブルで行く方が良かった。
 バナナ岩というものが見当たらないが、その先の急なルンゼをリードする。直上後、右へ折れ、少し上がるとまた尾根上に上がる。そこでピッチを切り、尾根際のルンゼをほぼ直上し、左の尾根が直角に曲がり、目の前を横切っているので乗り越す。ハング気味なので力を要した。またここでピッチを切り、ダイレクト尾根の頭へ直進。頭(ビンタ)は木が薄く、展望が良い。
 ここからは尾根上に沿って行くだけである。少し下り、そこから第一岩場まで登る。第一岩場は高さ4mぐらい。右のルンゼ状になっているところからも登れるが、岩を直登した。
少し先の第2岩場は垂直で高さ5mほど。中間部がハングしているが下地が安定しているので、ランニングビレイを取ってからパワーで乗り越す。そしてクライマックスは稜線直下の岩場を右へトラバースし、1ポイント登ってまた左へトラバースで戻り、直上する。稜線上は日が射しており明るかった。
 下山は後ろの2人PTに抜かれ、僕らはこの日最も長く阿蘇を楽しんだPTとなった。
反省・電車は早めに乗ろう。乗り換えも間違えないように。

感想
最初の恐怖体験から「落ちても構へんわぁ」のやけくそ登りとなり、後半になるにつれ、それが過剰になって何も見えなくなった。ただ猪突猛進。早く登ることにだけ思考力と体力が注がれた。特にルンゼの登攀はたまらないものだった。またこのような登攀をしたい。

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